
えさせてあげるといいよ」と、言ってくださいました。
そのうち、ひとみまでが「行きたくない」と言い出し、バスには遅れて乗れない始末で、私が送って行きましたが、どうしても駄目なときは、先生に頼んで迎えに来てもらいました。
そんな日がしばらく続いたある日、お姉ちゃんが久ぶりに学校へ行って、珍しくテストで百点を取り見せていました。このときとばかりに私は、「お姉ちゃんはすごいね。休んでいてもちゃんと百点取れるし、ひとみちゃんは毎日、頑張っても百点はなかなかだね。中学部になると勉強は難しくなるから、もっと頑張りましょう」と言いました。ひとみは黙って聞いていましたが、その後は休みたいとは言いませんでした。
小学部も終わり、いよいよ中学部です。バス通の効果も出て、ますます言葉が増えて、少しずつ理解もできるようになりました。また学校では、クラブ活動で頑張っていました。そのころ、お姉ちゃんが一年遅れて私立高校へ入学、その際は中学の先生に大変お世話になりました。
また次の年には、お兄ちゃんが同じ高校に入学しました。三人揃って学校へ行くようになったときは、もう言葉には表せないほど嬉しかったです。
無事、お姉ちゃんが三年間で卒業、次の年にはひとみが姫路ろう学校の高等部に入学、次の年には、お兄ちゃんも卒業しました。いまは二人仲よく家から勤めています。
ひとみは最初、寄宿舎生活があまり好きではなかったようでしたが、土曜日に家に帰れるのを楽しみに頑張りました。休みに帰っても、寄宿舎に帰るときは朝早く起き、五時四十六分の汽車に乗りました。高校生ぐらいになると、おしゃれなんかもしたくなるのか、一度、髪の毛
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